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川端は追い込まれる前に打つ傾向が強く、対菅野全12打席のうち10打席は2ストライクまでいっていない。さらに球種を見てみると、5安打すべてが直球だった。コースは内角から真ん中のやや高めを狙われていた。一方、スライダーは効果的なようで4打席とも凡退している。安易な直球勝負ではなく、変化球で効果的にストライクカウントを重ねる“遅攻”でじらすのもありかもしれない。
畠山には球種関係なく、低めの外角球を狙われている。高めの球はスタンドに運ばれる可能性があるので、内角低め中心の攻めで打ち取りたい。
菅野は前日に神宮外苑の軟式野球場でキャッチボールなどで調整した。神宮ではプロ入り後勝利がない。それでも「自分個人のことなので、そんなことでチームに迷惑はかけられない。自分は挑戦者。とにかく捨て身でぶつかります」と口にしていた。大一番で、今度こそ強力ヤクルト打線を封じられるか注目したい。
092
巨人が崖っ縁に立たされた。クライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(S)第3戦で、ヤクルトに完封負け。先発の菅野は5回まで無失点も、6回無死満塁から雄平の併殺打の間に先制を許し、今浪にもタイムリーを浴びた。6回2失点で、またしても神宮で勝てなかった。打線は2戦連続無得点、21回連続0行進と沈黙。対戦成績は1勝3敗(ヤクルトに1勝のアドバンテージ含む)となり、ヤクルトに王手をかけられた。
悔やんでも悔やみきれない1球だった。6回2死一、三塁。菅野はカーブで今浪のタイミングを外したが、ちょこんと合わされて左前に運ばれた。無死満塁から雄平の遊ゴロ併殺打の間に先制を許した後、粘れなかった痛恨の追加点。「2点目がもったいなかった。1点で終われば展開も違っていた」。貧打の味方打線を考えれば、2点の先取点は重すぎた。
093
自身のバント処理のミスもあり、4回4失点だったCS第1S第2戦(東京D)から中4日。3か月ぶりに組んだ加藤とのバッテリーで、序盤からカーブを多投した。4回には1死二、三塁のピンチにマウンドに来た原監督のゲキに応え、無失点で切り抜けた。今季4戦4敗と相性の悪いヤクルト打線を緩急で打ち取り試合は作ったが、先制点がそのまま決勝点となり6回2失点で敗戦。「0に抑えれば負けない」と敗戦の責任を背負った。
神宮では試合前までプロ通算6戦未勝利で、今季も3戦3敗。CS前、菅野は強い決意を口にした。「シーズン中は(相性を)気にしていた。強がって『関係ない』とか言っていましたが、今回は本当に気にならない。短期決戦。燃えるものがあるので」。前回、阪神戦のKOの借りを返すことだけに集中したが、鬼門突破は果たせず、チームも痛い星を落とした。
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底冷えの寒さは、1年前と全く同じだった。昨年10月2日、神宮でのヤクルト戦。右肘に激痛が走り2回で緊急降板。じん帯損傷だった。「現実を受け入れられなかった。それでも次の日、球場に行かないといけないのがつらかった」。CS最終Sを欠場してチームは4連敗。今年こそ借りを返す。強い気持ちを胸に臨んだが、CS2戦2敗。悪夢を払拭できなかった。
今季は防御率1・91で10勝11敗。25登板中、17試合で味方の援護点が2点以下と無援ぶりもあるが、勝負どころの試合で勝ちきれずにきた。ヤクルト戦に限れば、投手・小川への押し出し四球や、投手・石川に浴びた決勝打。この夜も含め、エースとして期待に応えきれていない。
チームは、王手をかけられて後がなくなった。日本シリーズへの道は3連勝しかない。試合後、菅野は「またチャンスがくると信じてやっていきます」と前を向いたが、崖っぷちに立たされた。
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クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでヤクルトに敗れ、日本シリーズ進出が絶たれた17日夜。原監督が辞任の意向を示し、ナインに激震が走った。とりわけ、甥である菅野智之(26)は、「(辞意表明を)現実として目の当たりにして、来年のことが想像できない」と戸惑いを口にした。
「小さい頃から夢だった巨人に入ってプレーすることができた。監督の力添えがなかったら今の自分はない」。振り返る静かな語り口に、深い絆を漂わせた。
1年間の浪人生活を経て2013年に巨人に入団した。「結果を出さないと、『甥だから(試合に)使っている』と言われる。結果を出し続けることが、恩返しになる」との覚悟を胸に、伯父が率いるチームに飛び込んだ。1年目から2桁勝利を挙げ、2年目にはリーグ最優秀選手賞を受賞。エースへの階段を上ってきた。
2年連続の開幕投手を務めた今季は「もっとできたという気持ちが強い」と、課題を痛感した。10勝11敗とプロ入り以来初の負け越し。特に、優勝したヤクルトには4戦全敗。CSでも登板した2試合で敗戦と、勝負所で勝ちきれなかった。原監督は時に「3年目の坊や」と皮肉り、時に「あいつも弱音を吐いているわけじゃない」と激励してきた。
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真のエースとなるために、乗り越えなければならない壁は低くない。それでも、目標だった防御率1点台を達成。「プロ3年間では一番戦えたシーズンだった。満足はまったくないけれど、次につながる」と、手応えもあった。そんな右腕に指揮官は、「プロらしさというのは、芽生えつつある」と、手応えを感じていた。
高校、大学、そしてプロと、偉大な伯父を追って歩んだ野球人生。来季のベンチに、追い続けてきた姿はない。「監督との3年間は財産。選手としても、家族としても、感謝している」。師との別れを機に、新たな一歩を踏み出す覚悟だ。
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G球場での秋季練習に参加。ダッシュやキャッチボールなどを行った。11月に行われる国際大会「プレミア12」に向け、調整を始めている右腕は「順調です。次のクールからブルペンに入る予定です」。28日からの第2クールでブルペン投球を再開する。
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巨人の尾花高夫新1軍投手コーチ(58)が28日、菅野智之投手(26)に「貯金10指令」を下した。「日本一になるためには投手陣が貯金をいくつ作れるかがポイント。特に菅野には貯金10を目指してほしい」。今季10勝11敗と負け越したエースに対し、名前を挙げて奮起を促した。「11敗の半分は勝ち星がついてもおかしくない。気の毒な点はあるが、本人も満足はしていないと思う。菅野には高い理想を掲げてもらいたい」
この日は投手陣のノックやランニングなどを見つめ、一人一人と短い時間ながら会話した。「投手全体に考え方と行動の質を高め、仕事の質を高めてもらう」。今季、チーム防御率は12球団トップの2・78だったが、さらなる高みを目指していく。
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秋季練習で初めてプルペン入り。高橋監督が視察する中、32球を投げた。「今日は肩慣らし程度です。(監督とは)特別な話はしていませんが、ピッチングを気にかけてもらっているという気がしました」
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8日に日本―韓国戦(札幌D)で開幕する国際大会「プレミア12」に出場する巨人・菅野智之投手(26)と沢村拓一投手(27)が31日、巨人での秋季練習を打ち上げた。
G球場のブルペンに入り菅野は62球、沢村は23球を投げ、最終調整。プロ入り後、初の国際大会の登板となる菅野は「しっかりとプレッシャーを感じながら、また、楽しみながらやれればいいと思います」と語った。また「対戦したことのある打者に、どういう投手が嫌か聞いてみたい」と貪欲な姿勢を見せた。沢村は「巨人の看板を背負い、代表としていくわけですから、全てのことにおいて責任もって行動しなくてはいけない」と気を引き締めた。抑え転向後、初の日本代表入りとあり、「自分のペースで(中継ぎを)やっていけると思います」と話した。
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